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書評「僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版」(瀧本哲史著)

 京大でも一般教養の講義を担当していらっしゃる瀧本教授(だったかな)の本です。タイトルはかなり有名ですね。自分も名前だけは知っていましたが、当時は読書の習慣がなくて買いませんでした。

 

一回生のころに瀧本先生の講義をとっておぼろげながら内容が頭に残っている学生としては「あぁ

、こんなこと言ってたな」という感想でした。結構講義内容と被りがあるように思えます。だからといって講義を受けた人が読まなくていい、というのとはまた違うとも思いますが…

 

テーマは一貫しています。「資本主義が本格化するこの日本の中で、取り換え可能な人間=コモディティ化を避けるにはどうするか」ということです。

 

そこで著者は労働者を六つの区分に分け、そのうち四つの区分の人々しかコモディティ化を避けられないとしています。著者がエンジェル投資家として働いているからか、「投資家」としての生き方が一番ひいきされているようにも感じましたが…

 

そして最後の章ではこの世界の生き方の紹介をしています。今まで章で書かれた考えに従っても、それが常識はずれになってしまうこともあるでしょう、しかし、「自分自身の人生を生きるのは自分だけである。だから、それで失敗するのは誰かの言いなりになって失敗するよりも100倍マシだと考える」と主張しています。実際、誰かの言う通りで失敗した場合は責任も他人に押し付けがちになってしまいます。

 

自分が講義を聞いていた時、起業論がテーマということもあってやたらと学生に起業をすすめていたという印象がありました。そのせいか、「言っていることは腑に落ちるけれどもどこかうさんくさいオジサン」というイメージがついてしまいました。言っていることは確かに正しいのだけれども、起業以外の方法もあるのではないか、というのが自分の考えでした。個人的には、起業論以外でもキャリア形成の講義を聞いていたいと思いました。

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)