エクセルのブログ

京都の大学生です もうすぐ社会人です

書評「θ 11番ホームの妖精 鏡仕掛けの少女たち」(籘真千歳著)

 小説を買う時、自分はいくつかの基準で決めています。一つはどこかでタイトルを聞いたことがあるかどうか。二つ目はタイトル。三つめは雑誌のおすすめ欄です。小説というのは漫画のようにパラパラめくって面白いか判断するのがとても難しいので、安定している古典かバクチ覚悟で「ストライクゾーンに入った」ものを読むかになってしまいます。この小説は最初の分類だと三つ目で、どこかの読書サークルが推薦していたと思います。

 

本作は三つの短編から構成されています。個人的には三番目の話が一番好きであり、読むにつれて面白さが増していった、という感想でした。

 

やはり特筆すべきは舞台設定だと思います。本作は東京駅上空2200メートルに位置する11番ホームを舞台にして起こるさまざまな事件を描いたSFです。真夏の青い空に線路が浮かび、対面式のホームへとつながっている光景というのはとても絵になる光景であり、同時に近未来的でもあります。個人的にこの舞台設定にひかれて買ったというところが大きいです。近未来的、かつ革新的すぎず頭に浮かべやすい設定を、どのように料理するのだろうとワクワクが止まりませんでした。その結果、勉強に身が入らないことも功を奏して二日で一気に読み終えてしまいましたが…

 

本作は三つの短編から成っていますが、やはり一番よかったのは三つめの話だと思います。話の進め方がとても自然で、ついつい次のぺージをめくってしまいます。ライトノベル特有の、「次から次へと世界トップレベルの天才がわらわらと出て来る」という欠点はありますが、三話目に関してはそれが気にならないほど面白かったです。「上空2200メートルの東京駅」という設定が持っているSF的な雰囲気を壊さずに、一番上手に作ってあったと思います。

 

作者は第二巻も書いているようなので(残念ながら大学生協にはありませんでした)、機会があれば読んでみたいです。しかしライトノベルというのは漫画と同じで、ついつい時間を忘れさせてしまうので、読むタイミングにも十分気を付けなければな、と思います。