書評「日本人の英語」(マーク・ピーターセン著)
先日英語の試験を受ける機会があったため、買って読んでみました。前回紹介した「経営戦略の教科書」同様、20の短いコラムに分かれています。筆者が日本人の英語(大人も学生も)を添削している時に、「ここはこうすればいいのに」と思ったことを説明してある本です。たとえば自由英作文のような、「ネイティブらしさ」を求められる問題への対策にも直結しています。
「不定冠詞や定冠詞はどういった規則のもとでつけるのか?」「文頭に"Additionally"とつける英文が不自然なのはなぜか?」といった疑問点を解説してあります。文法自体は理解していても、それを応用して英文を書こうとすると様々な問題が生じます。単語の使い分けや文章の書き方などがきちんと英語らしいものでないとテストでは減点されてしまいますし、高得点も狙いにくくなります。
具体例としてあげてありますが、「Univercity of Meiji Tennis Club」などと書けば「英語のわからない日本人がかわいい間違いをしている」などと温かく見守られることうけあいです。「Last night, I ate a chicken in the backyard.」という英文を見て「ギャグかな?」と思われるのはなぜなのでしょう?異国の言葉である英語の論理を、できるだけ正確に伝えようという筆者の努力が見てとれる親切な本であり、とてもためになりました。
しかし、この本一冊読んだだけで英語を完璧にできるというわけではないでしょう。「英語をマスターする本」というよりも「英語らしい英語を書く」という意識への橋渡しにとてもぴったりな一冊だと思いました。