書評「先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術」西村行功著
前回の更新からちょうど一週間空けての更新ですね この本はもう少し早く読み終わってもよかったかな、と思います わかりやすかったので…
タイトル通り、未来の自分のキャリアプランについて考えてみようという本です。作者はこのキャリアプランについて考える技術のことを「シナリオ・プランニング」と呼んでいます。もちろん作者が勝手に作ったうさんくさいものではなくてれっきとした用語です。もともとはアメリカ軍がシミュレーションに使っていた技術を民間の会社も使うようになったということだそうです。
キャリアプランの策定には三つの要素が必要だと作者は主張します。一つが物事同士の因果関係などを見抜くつながり力、二つ目がこれからの社会がどう変化するかを見抜く先読み力、三つめがそれらの計画を実行する行動力です。ただしこの本では紹介にとどまっているのが残念なところです。もちろん本格的な紹介を行うとこの分量ではとても足りなくなるので仕方ない対応ではあるのですが…個々の技術について詳しく学びたい読者のためには巻末に書籍紹介がしてあるのでそちらを読むのが良いと思います。私はまだ読んでません。
この本はシナリオ・プランニングという考え方の紹介とその重要性、そして利用方法について語ってくれている本であると割り切っていくのがいいのかもしれません。やはり紹介も簡単なものに終わってしまっていますし、この本だけでシナリオ・プランニングをマスターするのは少し難しいように思います。最後の方に書いてあるブレイクダウン法・アローダイアグラム法に関してはすぐに使える知識ではありますがどちらかというとスケジュール管理に近い方法です。
しかしこの時代における「将来のことを見据えて行動すること」の重要性を理解し、「健全な緊張感」を持つという意味ではとても有益でした。武器としての教養という言葉がぴったりくる本です。