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書評「内定童貞」(中川淳一郎)

 就職に関する本はたくさんでいていますが、これは作者の人生を振り返りながら「そこまで就活って死ぬ気になるもんじゃないでしょ」というツッコミを入れた本です。イイ感じにくだけた文体なのですらすら読めます。

タイトルの「内定童貞」は内定を取っていない人のこと。要するに「どこか適当なとこでも内定とってればリラックスできるし、内定ウホウホスーパーマンになれるよ」ということです。ただ個人的にはこのキーワードはあまり真新しいものではないなぁ、と。むしろ「就職なんて緊張してやるものじゃない、人事もバカはいるんだから 適当な人だっているんだから」という主張を引き出すための筆者のエピソードの方が印象に残りました。自分は就活にあたって「絶対○定」シリーズという本を読んでいたのですが、それとは主張が真逆なんですよね。たとえば中川さんは面接は加点法だという。一方で某シリーズでは減点法だという主張がなされていました。中川さんは一つの会社だけとはいえリクルーターをしていた人間、片や某シリーズは内定者を7000人も輩出したシリーズ。両者それなりに説得力があるわけです。

ここまできたら就活についてひたすら考えるのがもう馬鹿らしくなってきます。結局どう考えるかは自分の勝手なのかな、というのがぼくの行きついた結論でした。そのうえで自分にしっくりというか、なじみやすかったのは今回の本なのかなぁと思います。真面目に考えて15分で就活生の能力を的確に見抜くって無理ですよね。結局就活は合うか合わないか、もうそれなら凝り固まらずに素の自分を出しちゃえよ、ということです。嘘のエピソードを作らなくてもいいし、まともに読まなかった御社のパンフレットに感化されたふりをしなくてもイイ。うさんくさいきれいごとを並べられるよりは「先輩の○さんが楽しそうだったから」の方が聞いている側としては確かにしっくりきますしね。(だからといって「まったり高給と聞いて飛んできました」みたいなストレートすぎるのもよくないので、ほどほどにしましょう)

真面目すぎる人が深みにはまってしまう就活。面接前日でもいいです、辛くなったときにこれを読んで肩の力を少しでも抜けたらよいのではないか、と思います。電通博報堂のような超一流企業でも窓際族というものは存在するので、それにならなくてよかったというポジティブシンキングをしてみるのも一つの手かと思います。

内定童貞 (星海社新書)

内定童貞 (星海社新書)