書評「ケンカの流儀」佐藤優
編集者にうまいこと騙されたな、というのが率直な感想。特にケンカについて言及しているところはないし、筆者の定義する「修羅場」を潜り抜けてきたさまざまな人物(創価学会・池田大作だったり、ヘーゲルだったりする)のエピソードを通してどのようなことが肝要かまとめていく、というもの。
しかしいかんせん内容が頭に残らない。言っていることが簡単にまとめられすぎていて頭に残らないのである。抜粋して自分なりの解釈を少し加えて終わり、という形式である。随筆の一種だと考えるといいのかもしれない。すくなくとも説明文ではないし、評論とも言いにくい。
唯一良かった点は外交官時代の筆者の政治術が書いてあり、そこに興味が沸いたので外交官や政治について書かれている小説・新書も読もうという気になったことくらいである。